2010年度

自然観察大学 第1回
2010年5月16日(日)
場所:都立野川公園
お天気にも恵まれて五月の風も爽やかな観察会日和でした。 NPO法人になってはじめての観察会、参加者は42名です。
熱心な参加者と多方面の専門的知識を持ち合わせた講師陣で大いに盛り上がりました。
《参加した方へ事務局からお詫び》時間が大幅に延びて申し訳ありませんでした。
話題になった生物
植物
・草本
カントウタンポポ
セイヨウタンポポ
シロツメクサ
ヤセウツボ
コテングクワガタ
ムラサキサギゴケ
カキネガラシ
ニワゼキショウ
オオニワゼキショウ
オオスズメノカタビラ
カラスムギ
・木本
イチョウ
クスノキ
アカマツ
ミズキ
クマノミズキ
エゴノキ
エノキ
シラカシ
イヌザクラ
タブノキ
アカシデ
カヤ
プラタナス

 

昆虫
アシナガコガネ
コハンミョウ(幼虫)
ホソツヤアリバチ
コハナバチ
カキクダアザミウマ
プラタナスグンバイ
エノキハムシ
エゴノネコアシアブラムシ
クヌギミツアブラムシ
ナミテントウ
ナナホシテントウ
ヨツボシクサカゲロウ
ヒラタアブ(の一種)
ヒラタアブヤドリヒメバチ(の一種)
オオワラジカイガラムシ
エドヒガンコブアブラムシ
ヒゲナガガ(クロハネシロヒゲナガ)
ヨコヅナサシガメ
モンシロチョウ
スジグロシロチョウ
ツマキチョウ
クモ
アリグモ
ジョロウグモ
ウロコアシナガグモ
ムクドリ
エナガ
ハシブトガラス
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野川公園の概要

最初に鈴木先生から野川公園についての説明があり、観察路の予備知識を得た。
都立野川公園は、野川を境に武蔵野の景観が残る北側と、ゴルフ場跡地の芝生の広場の南側で観察場所が異なっている。広場はバーベキューのできるエリアやゲートボール場跡地があり芝生を走りまわる子どもたちがいて休日の家族連れで賑わっていた。

野川公園を横断する野川。野川は朝のドラマで話題になっている
■イチョウ
岩瀬学長の挨拶とそれに続いてさっそく解説がある。
【岩瀬】イチョウの木の根元に、緑色の1cmほどの打出の小槌のような形をしたものが多数落ちています。よく見ると2つ、あるいは3〜4つに分かれているものもあります。
これはイチョウの雌花です。柄の先についているのは胚珠です。これがギンナンになります。
イチョウは雌雄異株です。木だけ見て雌、雄を区別するのはなかなか難しいです。葉の切れ込みでスカート、半ズボンという人もいます。樹形で枝が横に広がっている、上に真っ直ぐ伸びているという人もいますが街路樹にはあてはまりません。イチョウの雌雄についてはそれぞれの説があるようですが、やはり"ギンナンがなるのが雌の木である。"というのが確実です。

イチョウの雌花
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■クスノキの葉の交替
常緑樹の落葉は今の季節である。目前のクスノキも古い葉を落とし新しい葉と世代交代をしている。古い葉が紅葉して地面を覆いつくしている。
五月は新緑の季節だ。落葉樹は一斉に芽ぶき、樹種によって緑の色も違っている。うす緑、黄緑、緑、濃い緑、深緑とまるでパッチワークのようである。
葉を交替させたクスノキ。常緑樹も落葉する
■アシナガコガネ

花があらかた終わったミズキの周りに飛んでいる虫がいた。捕まえてみると後脚の長いコガネムシ。今の時期、芝があるような明るいところで見ることができる。

ミズキの花を訪れるアシナガコガネ。体長5-9mm
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■ムクドリ
ミズキから少し先の芝生にムクドリがいた。群れていることが多いのでムレドリと言われて名が付けられたそうだ。芝をつつくように餌を採っているが、捕まえた餌をその場で食べるのではなく、公園の外の人家の隙間などで繁殖中の雛に与えるということだ。今は子育ての季節なのだ。
餌を探すムクドリ(撮影:金林)
■古巣ウォッチング
ヒヨドリやモズは一度使った巣は翌年は使わないので、古巣は材料など丹念に観察できる。実は下見の時にあった古巣が処分されたらしく、急遽唐沢先生の手作り(?)の巣で説明があった。
【唐沢】どうして鳥は巣を作るのか? それは鳥が空を飛ぶ爬虫類だからです。つまり卵を産むのです、地面にそのまま産んでもいいのですが、ヘビなどの天敵にすぐに襲われてしまいます。木の上なら少しは危険が減ります。巣の構造もただ平らなものから卵が転げ落ちないように少し凹みのあるもの、そして保温性のある巣など、いろいろなタイプの巣があります。
と、言いながら取り出したのはエナガの巣。羽毛とクモの糸で作られている。
持参したエナガの巣を紹介(撮影:金林)
「指を入れると温かいのがわかります。どなたか試してみてください。それでは一番若い貴方。ハイ」
小学生の参加者が試してみた。みんなが試してみたいようすで、大いに盛り上がった。
エナガの巣の温かさを交替で確認
鳥の古巣ウォッチングは 『野鳥博士入門』(全農教)で紹介しています。
■コハンミョウ(ニラムシ釣り)
ゲートボール場の地面に小さな穴がいくつもあった。よく見ると入り口に何か黒いものが見える穴もある。
【平井】これはハンミョウの幼虫の住家(すみか)です。アリや小さな虫が通るのを待ち、近くに来たときに一瞬に捕まえて捕食します。私の郷里の埼玉では"ニラムシ釣り"と言いますが、子供の遊びでした。この穴にニラの葉を差し込むと幼虫が噛みつき押し上げてきます。そのときサッと引き上げると、幼虫が噛みついたまま釣れます。
ハンミョウには何種類かいますが、ここで見るのはコハンミョウです。ハンミョウの成虫は足元から飛び立ち少しだけ前方へとまることから、ミチオシエやミチシルベなどと俗称されます。土の中に産卵し、ふ化した幼虫はこの穴の中で過ごし、餌に恵まれると1か月あまりで蛹化し成虫になるようです。成虫は6月以降9月まで見られます。餌が少ない条件では1-2年間土中ですごし成虫になるそうです。
近くにニラはないので、イネ科植物の葉を穴に差し込みニラムシ釣りに挑戦したが、うまく釣れなかった。残念。
入り口に頭をのぞかせたコハンミョウ幼虫。穴の直径は3mmほど。おでこに見えるのは前胸部
雑草の葉を巣穴に差し込む
コハンミョウ幼虫。すごい顔は釣り上げないと見られない
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■ホソツヤアリバチ
ニラムシ釣りのすぐ隣で田仲先生が待っていた。
【田仲】コハンミョウに寄生するハチがいます。ホソツヤアリバチといって、大きめのアリくらいの大きさで、細身で胸部が赤い、アリによく似たハチです。アリのフリをしてコハンミョウの巣に近づいて、コハンミョウが噛もうとした瞬間に、すごい早業でのどに針を刺して産卵します。
とても素早いので、さすがの田仲先生も"何回チャレンジしても針を刺した後しか撮影できない"と仰っていました。
写真を使ってホソツヤアリバチの説明をする田仲先生。すごい写真でした。
■コハナバチ
ゲートボール場に咲いているシロツメクサの花に小さなハチが訪れていた。
【田仲】こちらはコハナバチといいます。巣穴がたくさんあるので、みなさんの足もとにもあると思います。巣の中にいくつかの部屋を作り花の蜜と花粉を混ぜた餌を詰めて卵を産み付けます。コハンミョウと同じような穴ですが、穴のまわりに土の山があったり、穴が垂直ではなく斜めに空いていたり、また入り口がきれいになっていないことで見分けます。コハンミョウはアリを捕まえるために出入口をきれいにしているのでしょう。
たしかにコハナバチの巣がたくさんあった。よく見るとコハナバチが巣穴に入る瞬間も見られた。
コハナバチの巣穴
地面に巣穴を作る昆虫は『校庭の昆虫』(全農教)で紹介しています。
■クヌギのアブラムシと昆虫
クヌギの若木にアブラムシが大きな集団がいた。新梢や葉にびっしりとはり付いている。
【松本】このアブラムシは"クヌギミツアブラムシ"といいます。コロニー(群れ)で樹液を吸っています。コロニーにはアブラムシのさまざまな形態、すなわち有翅、無翅、幹母、幼虫が混在しています。
拡大写真を使って松本先生からそれぞれの説明があった。
アブラムシは旺盛な繁殖力の一方で、他の昆虫の餌になる宿命があるらしく、"陸のプランクトン"と言われるそうだ。
クヌギミツアブラムシのコロニー。右上端の丸いのが幹母
アブラムシの詳しいことは 『アブラムシ入門図鑑』(全農教)をご覧ください。
アブラムシの捕食者として、現場で観察できたテントウムシとヒラタアブが平井先生から紹介された。
【平井】ここにはナミテントウとナナホシテントウの幼虫がいます。両者ともに成虫で越冬し、4月後半からアブラムシを求めて移動し、交尾して葉裏に産卵します。
ふ化直後の幼虫は黒っぽく、ナナホシテントウかナミテントウかは外見上区別できませんが、2齢以降になると、ナナホシテントウはオレンジ色の斑点が背中に数個現れてきます。ナミテントウの幼虫はオレンジ色の斑点が背中両側に連続してたくさん現れるので区別できます。
写真は卵塊からふ化した幼虫で、2齢になる前に分散します。幼虫も成虫もアブラムシを捕食し
ます。
テントウムシの一種。卵塊からふ化した幼虫
【平井】ヒラタアブは、幼虫が口先でアブラムシを刺して体液を吸収して成長します。成虫はホバリング(滞空飛行)しながら、アブラムシの生息場所を狙って産卵します。
ヒラタアブは分類学上ハエのなかま(双翅目)で、後翅は舵取りや速度測定用の平均棍(へいきんこん)になっています。前翅1対(2枚)で上手に飛びます。
ヒラタアブの一種の幼虫
田仲先生からはヒラタアブに寄生するヒラタアブヤドリヒメバチが紹介された。
アブラムシを捕食するヒラタアブと、そのヒラタアブに寄生するハチ… ちょっとややこしい。
ヒラタアブ幼虫に産卵するヒラタアブヤドリヒメバチの一種(写真:田仲)
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■オオワラジカイガラムシ
同じクヌギの若木に大きなカイガラムシがいた。
【山崎】オオワラジカイガラムシです。クヌギやスダジイにいるカイガラムシで、他のカイガラムシの雌は成虫では脚がなくなるのに、これは成虫になっても脚があります。体長はおよそ1cmで日本最大のカイガラムシでもあります。雄は翅があって全体に黒っぽく小さくて、ゴールデンウィークの頃にしか出てこない虫です。
脚と触角は黒く、体全体に蝋物質を分泌して薄く粉を吹いたようになっている。最近は数が減っているようだ。
歩くカイガラムシ、オオワラジカイガラムシ
■プラタナスグンバイ
プラタナスの樹皮を剥がしてみると、数頭のグンバイムシがいた。
【山崎】プラタナスグンバイは北米原産で2001年に名古屋、清水で発見され4年後には東京を越えてさらに分布を広げています。プラタナスの樹皮の隙間で越冬して、春に新しい芽に移り、葉を吸収して世代を重ね、猛烈に増えます。葉は付け根から白くなる被害が出て問題になっています。
そんなにたくさんいるのか… と別の箇所を剥がしてみたら、やっぱりそこにもいた。
まだ越冬中のプラタナスグンバイ。体長4mm弱。黒いのは腹面(撮影:金林)
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■アカマツの花
マツの花の観察をする。
野川公園には、立派なアカマツの老木がある。ゴルフ場だったころの名残だろうか。
花といっても針葉樹の花は目立たない。
「マツは雄花と雌花が同じ木につく雌雄同株ですが、雄花の枝と雌花の枝で分かれる場合がほとんどで、雌雄の花が同じ枝にあることはまれです。」
見ると確かにそのとおりだった。
雄花は、新しくのびた枝の下部に多数つく。
雌花は、新しくのびた枝の先端に赤紫色の小さなマツボックリの赤ちゃんが2〜3個見られる。マツボックリは多数の鱗片がらせん状につきその内側に2個の胚珠がつく。マツも裸子植物である。
アカマツの雌花の枝(左)と雄花の枝(右)
雄花を指で弾くと煙のように花粉を飛ばした。マツの花は、風媒花である。
今年のびた新しい枝の付け根に緑色のマツボックリが見られる。
「このマツボックリは昨年の春に受粉し1年経ったもので、今年の秋に熟します。その下の茶色のマツボックリは昨年秋に熟したものです。」
見慣れた茶色のマツボックリは、2年前のものということだ。すでに種子は落ちてしまっているが、マツカサは落ちずに長く残っている。
「今年の小さなマツボックリはずいぶん高いところについているなぁ〜。」参加者の男性からこんな声があった。となりにいた女性が「他の花粉を受けやすくするためよ。」とこたえていた。
自然観察大学の観察会は参加者が先生になったり生徒になったりと和気あいあいで楽しい。
参考になる図書:『写真で見る植物用語』(全農教) p83、マツの花と種子
■ミズキとクマノミズキ
ミズキは初夏を告げる木である。扇状に枝を広げ、白い花が階段状に咲く独特の樹形になる。
ミズキとクマノミズキの花は非常によく似ていてまぎらわしい。
「ミズキの花は5〜6月に咲くがクマノミズキの花は1か月遅れです。クマノミズキは葉が対生、冬芽は裸芽です。おぼえ方としては“くまの平ら”または“裸の熊の大将”などと特徴をおぼえるといいでしょう。」
この日はミズキの花がほぼ終わりに近く、クマノミズキはまだ開いていなかった。

葉を交替させたクスノキ。常緑樹も落葉する
 
ミズキ(左:鱗芽)とクマノミズキ(右:裸芽)の冬芽(4月初旬撮影)
■ヤセウツボ
ゲートボール場跡地のわきにうす茶色の植物がニョキニョキと生えている。
「マメ科、キク科、セリ科などに寄生するヤセウツボです。根に寄生しています。寄生植物は、他の植物から直接栄養や水分を得ています。ヤセウツボの葉はごく小さくなっています。ヤセウツボは帰化植物です。」
ここでは、シロツメクサかセイヨウタンポポの根に寄生しているのか…
ヤセウツボ
『写真で見る植物用語』(全農教) より
■カントウタンポポ
トピックスの『野川公園のカントウタンポポ』の項をご覧ください。
■カヤとイヌガヤ
カヤの花が咲いていた。花は雌雄異株まれに同株、写真の雄花は前年の葉腋に多数つく。
カヤは葉の先端が鋭くとがり、握ると痛い。分類上はイチイ科カヤ属。
「カヤとイヌガヤは名前は似ているが科も属も違います。イヌガヤの葉はカヤよりやわらかく、いくぶん大きい。分類上はイヌガヤ科イヌガヤ属となっています。」
カヤの花(雄花)
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■カラスのトラップ
野川沿いに東京都が設置したカラスのトラップがあった。ニュースや話には聞いていたが、実物ははじめて見るが結構大きいものだ。
カラス捕獲トラップ(撮影:金林)
【唐沢】トラップの屋根の部分が底の開いたV字型で、そこにピアノ線が下がっていて、入ったカラスが出られないようになっています。
都はトラップを300カ所ほど設置して3万羽のカラスが2万羽に減り効果があった、と発表しているようですが、野鳥の会によると翌年には3万羽に戻っているということなので、あまり効果はないようです。また、捕まえたカラスの処分費用が1羽当たり7千円から1万円弱くらいかかり、トラップの維持費も結構かかるそうです。
都内では生ゴミが多く出され、鉄塔など巣を作るところが増えたため、ハシブトガラスが増えたと考えられます。ゴミの収集をカラスの活動時間前に行い、生ゴミの管理や減量などに取り組めばカラスの数は減るんです。
■コテングクワガタ
コテングクワガタは白い小さな花であまり目立たないが、芝生広場や一之橋を渡った空き地で観察できた。よく分枝し節ごとに根を出して地表をはうように生育している。
ヨーロッパ原産の帰化植物で、野川公園では3年前の自然観察大学観察会でも見つけたが、当時よりかなり広がっていた。野川公園以外の場所でもぽつぽつ見かけるようになった。
芝生の中のコテングクワガタ。全体に小さく花も小さい
■ジョロウグモの卵のう
【浅間】木の幹にあるのは昨年の秋に作られたジョロウグモの卵のうです。まもなく、5月中頃に孵化します。1齢の時にはまだ卵のうの中にいて、2齢になると卵のうから出て来ますがバラバラにならず集まっています。3齢になって毒を持つようになるとお尻から糸を出して空に飛び出し独り立ちします。一つの卵のうには約800個位の卵がありますが、親になるのは約2個体です。
ジョロウグモの雌は雄に比べて大きいですが、これは脱皮の回数を増やす事によって大きくなります。体が大きければ大きな狩りバチにもやられないという利点もあります。
隣にいた唐沢先生から、“この卵のうをエナガが巣材に使う”と補足があった。多数の専門家がいる自然観察大学ならではの光景だ。
 
ジョロウグモの卵のう(撮影:金林)
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■タブノキ
大きな新芽が展開していた。葉は枝先に集まってつき、新葉は赤みを帯びて鮮やかだ。
「これはタブノキです。冬芽は大きく、花芽と葉芽が一緒に入った混芽といいます。この芽はさらに多数の鱗片葉に包まれています。」
タブノキの新芽
「鱗片葉のことを“芽鱗(がりん)”ともいい、芽鱗がなくなったあとを“芽鱗痕(がりんこん)”といいます。芽は一年に一回ですから、芽鱗痕を見るとタブノキの成長がわかります。」
枝に残る帯状の芽鱗痕が確認できた。1年前、2年前と数えることができる。
1年前(左)と2年前(右)の芽鱗痕
「2年前の芽鱗痕よりも、さらに手前にも葉があります。タブノキの葉が落ちるまで、おおむね2年から3年の寿命があることがわかります。」
参考になる図書:『写真で見る植物用語』(全農教)
■エドヒガンコブアブラムシ
マメザクラの葉に虫こぶがありました。
【松本】よく見ると2種類の虫こぶがあるのがわかります。
これは第1世代の虫こぶです。越冬した有精卵から産まれた幹母(かんぼ)という体の丸いアブラムシが作った虫こぶで、この中で単為生殖で繁殖します。
ここから出た第2世代は若い葉に移動し、少し形の違う虫こぶを作ります。第2世代の虫こぶです。
第1世代の虫こぶ   第2世代の虫こぶ
【松本】ここから出てきた有翅型の第3世代はヨモギの根元に移ります。ここは仮住まいで秋にはまたマメザクラに戻って雄と出会い交尾をして卵を産みます。
ところで、このアブラムシはどうやってマメザクラを見つけるのでしょうか? それは偶然マメザクラにたどり着いたアブラムシが口針を差し込み、求めていたサクラの木だと認めるのです。
アブラムシは1か月位の寿命で世代を重ねすごい勢いで繁殖しますが、99%位は食べられてしまいます。まさに陸のプランクトンです。
日本で約700種のアブラムシが知られていますが、寄主植物はおおむね1対1で決まっています。また、アブラムシは成木にはあまり着かず、若い木や新梢など窒素が多いところに多くいます。
虫こぶの中のようすを松本先生の著書『アブラムシ入門図鑑』を使って示していただいた。幹母や有翅型も掲載されている。
『アブラムシ入門図鑑』(全農教) より
参加いただいたみなさん、講師のみなさんありがとうございました。
最後に全員そろって記念写真を撮影です。
今回参加いただいた方で、写真のデータを希望の方は事務局まで申しつけください。折り返しEメールでお送りします。
約3.7メガの容量ですが、ご希望の容量に間引きもできます。

NPO法人自然観察大学 事務局: jimu@sizenkansatu.jp
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2010年度 野外観察会
第2回の報告

第3回の報告

テーマ別観察会:農場 テーマ別観察会:
シダ植物観察入門