狩蜂の世界を見よう 
丸の内さえずり館フィールドイベント
主催:自然環境情報ひろば −丸の内さえずり館−
協力:自然観察大学
8月20日(土)に「狩蜂の世界を見よう」というフィールドイベントが実施されました。
自然観察大学の協力で、講師は田仲義弘先生。写真中心に簡単に報告をさせていただきます。
なお、主催の丸の内さえずり館は、多彩なイベントを実施しているだけでなく、フロアでは楽しい展示も見られます。有楽町駅からすぐなので、お気軽にどうぞ。
http://www.m-nature.info/event/
皇居周辺で狩蜂観察が堪能できます。
田仲先生によると、郊外に出るよりもむしろ面白いものが見られるとか…
写真は清水門。
ミンミンゼミが門柱でお出迎え。
「今年はセミが少ない」なんて言っていた人もいましたが、大賑わいでした。
はじめに
スタート前に30分ほど映像を使ったレクチャーがありました。
系統分類の話にはじまり、大きなイモムシを狩るミカドジガバチの動画や、ゴキブリを狩るセナガアナバチなど、動画を交えて迫力満点の面白い話でした。
キシノウエトタテグモ
石垣の隙間のトタテグモの巣を探します。
このクモは、獲が巣の前を通りかかった瞬間に、ふたを開けて捕らえます。
トタテグモの巣。このクモを狩るヒラカタクモバチは残念ながら見られませんでした。でも、これまでそのシーン見たのはまだ世界中で3人しかいない由。納得。
アメリカジガバチ
公園の門柱に刻まれた「公」の文字の中の巣。
穴の開いたのは古巣で、現在は使われていません。
石垣にあった球形の古巣。堅くて重かったです。
アメリカジガバチの巣はこのほか木の凹部などでも見つかりました。
ヒメハキリバチ
石垣の間の巣筒を取り出し、割ってみると中にはヒメハキリバチ。
このハキリバチは、筒の中に巣を作り、間を仕切って産卵します。
ハキリバチは葉を切り取って張り合わせて巣に加工することが知られていますが…
このハキリバチは葉を部屋のしきりとして使用しています。
中には子どもの餌となる花粉だんごがあります。
(ハキリバチは狩蜂ではなく花蜂とされています)
セナガアナバチ
サクラの樹幹下部でセナガアナバチを探します。
どうしてここで蜂を探すかというと、樹皮の隙間にいるゴキブリを狩りに来るから…
全員でゴキブリ探しをしましたが、この日は低温のためか発見できず。残念でした。
観察会当日は涼しくて快適だったのですが、低温のためか実際の蜂はほとんど見られず残念でした。巣の観察などで蜂のくらしぶりがうかがえましたが、やはり実物が見たいです。
写真は田仲先生に提供いただいたムモントックリバチ。
イモムシを巣に運び入れる瞬間です。
このような迫力ある生態写真をふんだんに掲載した狩蜂観察図鑑を出版する予定だそうです。ご期待ください。

参加いただいたみなさん、講師の田仲先生、お世話いただいた丸の内さえずり館のみなさん、どうもありがとうございました。また次回よろしくお願いいたします。
最後に、参加者のODさんから自然観察大学事務局にお寄せいただいたメールを紹介させていただきます。
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田仲先生が、参加者にサービスしようと汗をかきながら一生懸命やっていらっしゃるお姿に感銘を受けました。下見もうんとやってくださっていることがよくわかりました。
あいにく突然の冷温で蜂をみることはできませんでしたが、十分におもしろく、十分に勉強できました。
知らないところであのような生命の営みが為されていることに、地球の広さ、大きさ、複雑さとでもいうようなものと、生命の愛しさとでもいうようなものを感じました。
また田仲先生のお話を伺いたいと思います。