皇居の野鳥と自然観察をたのしむ 
丸の内さえずり館フィールドイベント
講師:唐沢孝一(自然観察大学学長)
主催:自然環境情報ひろば −丸の内さえずり館−
協力:自然観察大学
2012年3月3日(土)に「皇居の野鳥と自然観察をたのしむ」というフィールドイベント(観察会)が実施されました。写真をまじえながら観察会のようすを報告させていただきます。
唐沢学長が大手門前でコブハクチョウの話をはじめると本人が寄ってきてくれました。
なんというグッドタイミング!
唐沢学長とハクチョウの間で打ち合わせができていたとか…!?
今回のテーマは野鳥だけでなく皇居の自然観察。
イチョウの雄株、雌株の話やその来歴にも話が広がりました。
足元に落ちた多数の銀杏の間には、イチョウの芽生えが観察できました。
二の丸の雑木林では、“クヌギ、コナラ、イヌシデを雑木林の御三家としてまず覚えておこう”“どんぐりの観察”“コゲラの巣穴”“雑木林は人の手が加わることで保たれる”などの観察ポイントを紹介していただきました。
ちなみにこの林は、昭和天皇のご発意により、開発で失われつつある武蔵野の雑木林を土壌ごと移植したものだそうです。
土壌の生物を含め、雑木林を丸ごと東京のど真ん中に移転・再現するという試み、壮大です。
ヒヨドリがユズリハの葉を食べる不思議なシーンにも遭遇。写真は唐沢学長が事前の下見(2月22日)で撮影したものですが、観察会当日も予定通り(?)やってきてくれました。
この行動については「ユズリハの葉を食べるヒヨドリ」(唐沢孝一:全農教/話のたねのテーブルNo.80)http://www.zennokyo.co.jp/table/index_table.html でも紹介されています。
ツバキの花を吸蜜した後に茂みの中でひと休みするメジロ。
メジロの求愛行動について解説いただいたばかりだったのでみんなで注目しましたが、残念ながら求愛は観察できませんでした。
レンジャク類とヤドリギの食と種子散布の関係を紹介いただきました。
写真は北桔橋門(きたはねばしもん)の近くのヤドリギです。観察会では残念ながら時間の都合でここまで行くことができませんでしたが、こんな立派なヤドリギが身近で見られるとはびっくりです。
ほかにも、植生から過去の地形を想像してみることや、城郭としての江戸城の観察ポイントも紹介されました。枡形(ますがた)の持つ軍事的な意味や、伊達政宗らが造営した石垣などの歴史遺産の解説も含め、多彩な話題で魅力いっぱいの観察会でした。

「自然環境情報ひろば-丸の内さえずり館」では、多彩なイベントを多数実施しています。自然観察大学では今後も積極的に協力させていただく予定です。
なお、観察会などの参加者募集については、自然観察大学からの案内はしておりませんので、丸の内さえずり館の情報をチェックしてください。
http://www.m-nature.info/event/
丸の内さえずり館ではイベント以外に楽しい展示もあります。JR有楽町駅からすぐなので、お気軽にどうぞ。
報告:事務局O