山崎秀雄さんが
価値ある出版!
市川市自然環境研究グループの活動記録
(レガシー)
  できあがった書籍を手にうれしそうな山崎先生
自然観察大学の講師である山崎秀雄さんが、表題のような本を上梓された。
B5判で約200頁、箱入りの上製本である。
この本の内容の由来を知る者として紹介したい。
千葉県市川市は東京に隣接する都市でありながら、かなりの緑を残すといった一種独特の環境を近年まで保っていた。私は1950年代から市川に拠点を置き、それらの混在する生活を楽しんでいた。1970年代になると都市化の波が急激になり、緑の衰退に仲間内で危機感を抱くようになった。そのころ市内の大町地区に、長い谷津の地形を生かした自然公園をという市の計画のあることを知り、これをいい形で実現すべく有志が集まり活動を始めた。現地の調査を行い報告書にまとめて自然観察園として望ましい形を提言した。自然観察大学学長の唐沢さんもメンバーの一人であり、山崎さんもその中心の一人であった。これを契機に自然環境研究グループが組織された。
グループの事務局を引き受けたのは石井信義さん(市川学園)で、以来約30年間にわたり精力的な活動を続けた。大町自然観察園を中心に自然観察会の開催、市内各地の調査、ガイドブックの作成、新聞への連載などを行い、石井さんの得意なスケッチを生かした資料も次々に作り重ねた。
また自然環境連続講座や自然展の開催、資料収集などを行った。後に自然博物館の設立、「発見市川の自然」や、市川市史自然編の刊行などに結びついたと思われる。さらに市内の自然環境に関する諸問題を積極的に取り上げ、提言、要望などをまとめては関係機関に働きかけた。その数20編以上にのぼる。
 
本書目次より
本書本文ページより
残念ながら石井さんは2003年に他界された。ぼう大な資料が残されたが、それをまとめて世に示すということまでは及ばなかった。この研究グループはいまは消滅しているが、その活動の軌跡は市川市の自然史の中で重要な位置を占める、まさにレガシーであると考えて編纂に着手したのが山崎さんである。山崎さんは昆虫特に甲虫類の研究者である。標本など資料の収集、保存、整理などに卓越した能力をお持ちである。その能力を生かし石井節子夫人の協力を得てできる限りの資料を収集し今回の刊行にこぎつけた。
市川市のグループの活動記録となっているが、広く全国的にも参考になると思う。山崎さん個人の編著発行の非売品ではあるが、残部については頒布されるとのこと。はがきや手紙などで下記へ直接問い合わせしてほしい。
自然観察大学名誉学長:岩瀬徹
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市川市自然環境研究グループの活動記録(レガシー)
2018年11月3日発行
B5判、200ページ、上製本、箱入り


問い合わせ先 山崎秀雄 〒272-0021 市川市八幡5-2-10
注:お問い合わせの際には、お名前、住所のほか、電話番号を記してください