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くう・ねる・のぐそ
自然に「愛」のお返しを |
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伊沢正名 著
山と渓谷社
2008年12月25日発行
B6判 256ページ
(綴じ込み付録アリ)
定価1,575円(本体1,500円) |
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目 次 |
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一般的に言えば「食べる・寝る・トイレに行く」。
これは誰もが一生行う ごく普通の行為。けれどその中で“ウンコ”にふれるのはタブーのような風潮があり、「オシッコがしたい。」とは言えても「ウンコがしたい。」とは人前では言いにくい。なぜなのでしょう。
そんな中、伊沢さんは正面からウンコとつきあっています。
この本を読んで、ウンコが自然界では大変役に立っていると知ってしまったら、トイレですることに罪の意識を感じてしまうようになり困りました。それでどうしたのかについては、ここでは内緒にしておきます。
この本の影響か、森を歩いていても動物の糞が気になりだし、今まで写真に撮っていただけの糞も採って帰るようになり、昨年はクマの糞から季節により食べているものの違いがハッキリ見てとれ、糞溶きも楽しい仕事になりました。まぁクマの糞はイイ匂いのせいかもしれないけれど。臭いサルの糞でもハエは勿論、チョウや甲虫類が集まっているのをよく目にします。ことにスミナガシは超接写の距離でもお構いなしに舌鼓を打っていて幸せそう。(余談ですがヤマアカガエルのウンコは臭いです)
本書の内容については細かく紹介できないけれど、タイトルに合わず、糞の分解過程の調査研究のまとめや、都心の交差点の植え込みも含む野外で
“する” 時の努力には敬服します。
タイトルで躊躇してしまう場合は、「9章:お尻で見る葉っぱ図鑑」から開いてください。私もこの部分はコピーをしてファイルしてあります。自然観察では視覚を使うことが多く、例えばシソ科や軟毛、粘着など触感を確認することはあっても、積極的に触ることは少ないように思います。ましてや冬、枯葉の感触の違いや丈夫さを知っている人はいないのではないでしょうか。観察会のひとネタにもなる内容ですので読まれて損はありません。
自然観察大学では、講師の先生の専門分野から深いお話を聴くことが出来ますが、暮らしぶりも見ていくので、それぞれが深く関わりあって存在していることも学びます。ウンコもそこに関わり、多くの命を支えていること。またそれに生えるカビやキノコのイメージは汚く臭い。でも、実は自然界で分解者という大事なはたらきをし、その姿も美しいと理解するとイメージも変わります。 |
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室内講習会「生態系の命をつなぐ菌類」伊沢正名先生 |
に参加される方へ |
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2012年2月26日の室内講習会に参加される皆様には、是非「くう・ねる・のぐそ」に目を通していただいてからの参加をお勧めします。そうすれば、何の抵抗もなく、自然に伊沢先生の世界に入ることができ、きっとお話の内容も胸に落ちることでしょう。
美しい菌類の写真とお話、そして自然への深い愛情をお持ちの伊沢正名先生の世界にどっぷり漬かれる楽しい時間を楽しみにしています。はたして私も糞土師(子)に近づくことが出来るでしょうか… |
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自然観察大学 学生 小椋緑 |
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