キリの果実(アオギリとの比較)
>> 野川公園の観察会(2010年10月3日)で、アオギリの果実を観察した。
アオギリといってもキリの仲間ではない、という話になり“それでは本当のキリの果実はどうでしょう。後半でキリの果実が見られるので、比べてみましょう”という話になった。
ところが、例によって時間に追われ、きちんとキリの果実を見た方は、ほんの少数だった。ここで改めて紹介させていただく。
【飯島】花序を見ると、2種類の果実があります。鳥の嘴のように先の尖った大きな果実と、まるく小さい果実です。ここではほとんどが丸く小さな果実でした。
よく見ると大きく尖った果実の付け根に、がく片が残っています。小さい果実はおそらくこのがく片に包まれたもので、毛が密生しています。
小さい果実がこれから熟すということはないでしょうから、不稔と考えられます。
熟した果実を下見のときに割ってみたのでご覧ください。
【飯島】中には種子がびっしりあります。種子には発達した翼があります。
果実も種子もアオギリとは全く違いますね。
アオギリはアオイ目アオギリ科、キリはゴマノハグサ目ゴマノハグサ科(あるいはキリ科などとされています)で、系統分類からは離れたもののようだ。参考までにイイギリはスミレ目イイギリ科。同じキリという名前で呼ばれていてもばらばらなんですね。
>> アオギリはどうして“キリ”という名前がついたんだろう。
かつての命名者は、葉が大きくて高木になるということでキリに似ていると思ったのだろうか。
参考:アオギリの果実と種子。果実は本来5片。
解説は観察会レポート→ 参照。
 
事務局O