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シダ観察の要領は、主に次の4つだそうです。 |
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裏に胞子のう群がついている葉を観察すること。被子植物で花が重要であるように、シダでは胞子のう群が最も重要な形質である。 |
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葉裏の胞子のう群の形や付着位置、葉縁(鋸歯)のようす、葉脈のようす、毛の有無をルーペで観察する。(ルーペはなるべく高倍率のもの。目に近い位置にルーペを構え、観察対象のシダを前後させてピントの合う位置に持ってくる。) |
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葉にふれた感触、色にも注意する。このとき、観察メモは自分なりの言葉で書くことがたいせつ。(図鑑などに書いてある用語は避ける。) |
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場合によっては鱗片の形や色などを観察する。ここでもルーペは必須。 |
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ヤマイタチシダとオオイタチシダのように、近縁種に関しては見分けるポイントが紹介され、みんなでじっくり観察・確認しました。
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短いコースでしたが、時間をかけてじっくり観察ができました。 |
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なお、この公園は採集禁止のため、村田先生がシダの実物を別途持参してくださいました。用意周到な村田先生に感謝です。
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昼食休憩をはさんで、午後は室内で復習です。公園内にある立派な休憩所を利用しました。
村田先生が用意したシダを次々に机上に並べていきます。公園内には見られない近縁種も、参考として見せていただきました。
各自が観察したいシダの羽片をちぎって細部までルーペで観察できたので、大満足の勉強会だったでしょう。オブザーバー参加の浅間茂先生は、自身で持ってこられた本「野外観察ハンドブック/シダ植物」の該当ページに、ちぎった羽片を次々にテープで貼り付けていました。うまいやり方だと思います。 |
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村田先生のカバンからは次々に新鮮な標本が出てくる。
みなさん熱心にルーペで観察していた。 |
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メヤブソテツ(左)とナガバヤブソテツ(右)。一番人気でこんな姿に... |
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参加者からの質問:
いろいろなシダを新鮮な状態で用意いただきました。この近くにはないシダもあるようです。
村田先生はいったい、いつどこで採集してこられたのでしょうか? |
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村田先生の回答:
どうしたんでしょう。えへへ。
じつは私の家です。なぜか、いろんなシダが庭に生えているんです。 |
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たくさんのシダと、シダ好きのみなさんに囲まれて、終始ご機嫌な村田先生でした。 |
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当日観察したシダ植物のリストは次のとおり。
シケシダの仲間、オオバノイノモトソウ、イノモトソウ、クラマゴケ、コウヤワラビ、ベニシダ、オオイタチシダ、ヤマイタチシダ、イヌワラビ、オクマワラビ、ノキシノブ、テリハヤブソテツ、ミドリヒメワラビ、フモトシダ、トラノオシダ、ホシダ、ミゾシダ、アスカイノデ、イノデ、ゲジゲジシダ、イワガネソウ |
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参加いただいたみなさんは、好きなシダが見つかったでしょうか。
最後に、この観察会終了後にお寄せいただいたアンケートの一部を紹介させていただきます。 |
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基本的な形態などを説明いただき、改めて確認できた。 |
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種類を限定していたので、混乱せずに聞くことができた。 |
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似た種類の標本を並べて用意いただいたので、じっくり観察することができた。 |
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一見すると似たシダが、じつは違うグループであり、それが包膜の有無で区別できた。感激。 |
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シダの美しさがわかった。いろいろな種類の違いが少しだけわかった気がする。 |
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注目すべきところをていねいに教えていただいたので勉強になった。 |
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本(野外観察ハンドブック/シダ植物)を活用して、これからは種の識別ができるようになりたい。 |
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このようなシダ植物の観察会を、季節を変えて何回か続けて実施して欲しい。 |
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参加いただいたみなさん、村田先生、ありがとうございました。 |
(レポートまとめ 事務局O)
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