2003年 |
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第2回
(その2) |
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川名興先生が手に持っているヘビはアオダイショウです。コース途中にある池まで来た時、ヘビを見つけた先生は、そっと近づき尾をさっとつかみ上げたのです。
尾をつかんでいるため、少ししか首をもたげることができないアオダイショウは人の手に巻き付いたり、かんだりすることはできません。しかし、これはすべてのヘビに言えることではなく、マムシは首をもたげてかみついてきます。ご存じのようにマムシは毒を持つ大変危険な生き物です。最近分かったことですが、ヤマカガシにも毒はあるそうです。ヘビをただ怖がることも問題ですが、安易に近づくことも危険であることは承知しておいてください。
アオダイショウは、体長150〜250cmで日本最大のヘビです。広く日本に生息し、ネズミや鳥の卵を好んで食べます。カエルの卵も時として食べることがあります。前回の観察会でこの池を泳いでいるのが観察されています。 |
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アオダイショウを捕まえた川名先生 |
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斜面林の縁に幹から樹液を出してクヌギがあります。樹液にはいろいろな昆虫がやってきます。ここではオオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、クロスズメバチの4種が見られました。よく観察していると、それぞれに強さの順位があることが分かります。例えばオオスズメバチがいると、他のスズメバチは近づかないとか、コガタスズメバチはキイロスズメバチがやって来ると飛び去ってしまうということなどから、スズメバチ間の順位が分かってきます。田仲義弘先生の観察ではスズメバチの順位は、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、クロスズメバチとなるとのことです。 |
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左から;キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、クロスズメバチ(以上、「校庭の昆虫」より) |
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スズメバチに出会ったら |
田仲義弘先生からスズメバチに出会った時の注意を教えていただきました。驚いて手で払いのけないことが大切だとのことです。ハチの方でも驚いて人を攻襲してきます。ハチに出会ったらじっとして、ハチに刺激を与えないでいるとハチは飛び去っていきます。ハチの翅音は不気味に聞こえますが、ハチが通り過ぎるまでじっとしているよう気をつけてください。 |
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この公園には池があり、大きな噴水が作られています。水が吹き上げられ、講師の説明が聞き取れないくらいの音を立てることもあります。そして、噴水が止まると一気に静寂が訪れ、噴水の立てる音がどんなうるさかったのかに気づかされます。このような人工の音は私たちの耳には自然の音と違って異質なものと感じているのかも知れません。 |
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マユミの葉をよくみてください。複葉のように見えますが、個々の葉の付け根に小さな芽がついています。それで複葉ではなく単葉といいます。つまり全体が枝なのです。ヌルデの葉は中央にひれのような翼がついていて、1枚の大きな葉がいくつにも切れ込んでいることが分かりますが、これは複葉です。複葉では、柄のもとに芽ができ、それぞれの小さな葉(小葉といいます)の付け根には芽はできません。秋には小葉が落ち、次に柄も落ちてしまいます。単葉なら葉は落ちても茎は残ります。
複葉が見られるのは落葉樹で、常緑樹にはほとんど見られません。複葉になったのには何か都合のいいことがあったのでしょうか。 |
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マユミの葉のようす |
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ヌルデの中軸にできた翼葉 |
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樹木の枝に擬態することで有名なナナフシの仲間が、この日はよく見つかりました。ナナフシの仲間は雌で体長70〜100ミリに達します。大半は雌で雄はほとんど見つかっていません。雌だけで増える単為生殖を繰り返しています。胴体が細長く、多くの種は翅を持っていません。食草であるナラやカシなどの林でよく見られます。 |
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園内を一周し、雨もひどくなってきたのですが、東屋の下で唐沢孝一先生から鳥の羽の保存や見せ方について紹介がありました。
時として鳥の羽を拾うことがあります。それをパウチすると観察しやすくなります。ホームセンターなどでパウチの機械が安く売られているのでそれを利用します。写真は光って見にくいところもありますが、実際にはそういうことはありません。羽の裏表が観察できてなかなかすぐれた方法です。 |
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コサギの簑羽(飾り羽)をパウチする。(唐沢孝一原図) |
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ネット図鑑 |
斜面林を形成する樹木(「校庭の樹木」より) |
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マユミの幹 |
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マユミ:ニシキギ科。落葉樹。林地や林縁に生息する。幹は直立し、高さ1〜2mと低木である。幹には縦の細かい裂け目があり、枝は平滑で緑色、葉には細かい鋸歯がある。花期は5〜6月で淡緑色の小さな花を付ける。秋には朱紅色の実をつけ、葉は紅葉する。 |
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マユミの果実 |
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マユミの花 |
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ヌルデ:ウルシ科。落葉樹。日当たりの良い林縁を好み、原野、崩壊地などに先駆的に生育する。人家周辺で普通に見られる。幹は直立するが、中軸の先端は成長が止まり、そこから数本の側枝が伸びていく。これを繰り返して成長し、かさ状に広がる樹形となる。高さ5〜8m。8〜9月に白い小さな花を付け、晩秋に黄褐色の実をつける。中軸にそって翼葉を付けるのが特長である。 |
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ヌルデの樹形 |
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ヌルデの樹皮 |
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